体験から学ぶ
実は平昌オリンピック見に行ってました。4泊5日の結構な弾丸で、見たものはアイスダンスのショートダンスとフリーダンス、女子のショートプログラム。
ちょっといつもの観戦旅行と違っていたのは、最近になって車椅子になった人と一緒でした。まあ、わたしはついていっただけで、三十年来のお友達の方たちが手配や事前確認から現地での交渉や動作のサポートから何からほとんどすべてのことをやっていたんですけどね。
状況は変わってしまったけれど出かけて行くというのがご本人のモチベーションになっていて、リハビリや各種検査や日々の生活のあれこれをこなして、医者には「なんでもやっていいよ」と背中を押されつつ「自己責任ですよ」とクギさされつつ。
ご本人の本気にほだされて皆でサポートすることにしたけど、どうする?と事前に話を聞かされたとき、このグループに付き合いの浅いわたしが入っちゃって良いものなのか逆に心配になって聞き返したら、ご本人が「彼女なら全然OK」と仰っていたというので、これはある意味名誉だと思って当初予定のまま同行させていただくことにした。このグループと一緒に行くといつも楽しいから今回もきっと楽しいし。
あと、手配全部やり直しも面倒だし、現地で一人で動くのもなんかちょっと寂しいし・・(爆)
ほんとはちょっと無謀だったのかもしれないけれど、結果的には、意志あるところに道あり、腹を括って本気でやればだいたいどうにかなるなと再認識。
自分の武器と足りないところもまた少し見えました。今後に活かす。
<気付き>
- 点字ブロックは車椅子にとってはバリア。そもそも、特に女性の筋力では車椅子の取り回しは大変なのだ、停車位置調整、横断歩道での段差、雨水等排水のための歩道についている傾斜、こういったものへの対応は自重を使って動かしてやらないといけない。
- エレベーターはわかりにくい場所、電車のホームの端など使いづらい場所にあるのが多い
- 航空会社は事前連絡しておけば出発地空港〜到着地空港のサポートはかなりやってもらえる(日系だから?便数の多いところだから?)
- 電車の車椅子席は端にしかなく、ホームにあるリフト使用のため事前に依頼が必要だった(今回乗ったKTXは他の車両は車椅子のまま乗車できる席はなく、そもそも入り口も狭くて段差ありだった)
- ホテルにバリアフリーの部屋はあったが、ここ!というところに手すりがなくて不自由した(こういう例は多いらしい)
- 車椅子の介添1名で全部どうにかしようとするとかなりつらい。車椅子を押すと両手が塞がるので大きい荷物は持てなかった。ハンドルにひっかけておけばいいけど、あんまり重くすると今度は押すのに苦労する。身軽でいないときつい。
- 車椅子だったり妊婦や半身麻痺の人がどういう場面でどれだけ困るのか(それってどういうことなのか)を少しでも知識として持ってるかどうかで想像力の働かせ方が大きく変わる。中学高校くらいで車椅子で街を歩く体験させたり、妊婦体験(あの器具なんて言うんだろ、胸とお腹に重しがついたやつ)させるの、これからは必須にしたらよいのでは。
<その他>
- ヘタクソな英語だったり共通言語なしだったりで交渉するコツは、要求をシンプルにして端的に「これがほしい」「これが必要」と言うこと。余計な遠慮や婉曲表現する気遣いはいらない(そういうのは日本語で言えばなんとなく伝わる!)
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健康は大事。特に、食事と睡眠。ストレスゼロの状態はありえないので、ストレッサーは適当に受け流したりサッサと離れてストレスを受けにくくすること。自分の「いつも」はどういう状態なのかを把握しておいて、いつもと違うと感じたらすぐ対応。
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モチベーションも大事!でももっと大事なのはやってみること、やり続けること、やりきること。
正直なところ、満員電車に乗ってくるベビーカーや車椅子ってちょっと困るよねと思ってましたが、それは自分の都合でしかないわけで。
他の人にだって都合はあるわけだし、明日は我が身でもあるし、お互い譲り合いがもっともっと必要というのを身をもって感じました。
とはいえあの満員電車や疲弊してるときに譲り合いしたり他者を思いやれるような心理的余裕を持つのは大変だけれど、せめて自分だけでも。できるときだけでも。